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MOA 美術館
 
神秘と幻想の世界誕生
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MOA 美術館
 
Photos by: Kohei Take
 
 使用機材:
 
Cyclo 04 DMX X 295台
 
照明デザイン: 株式会社東京舞台照明 柳瀬敏実 氏
2006.1

日本有数の温泉&ビーチリゾートとして名高い静岡県熱海市の広大な庭園の中に「MOA美術館」が設立されたのは1982年の事でした。眼下に相模湾を一望する桃山の山頂 (標高260m) に延床面積13,891uの直線的でモダンな外観が一際目を引きます。書院造りの茶室や光琳屋敷の復元などが日本庭園の中に点在し、本館の設計も自然環境との調和を図るため、インド産砂岩が外壁の素材として使われています。

設立以来そのコレクションにも定評があり、尾形光琳筆「紅白梅図屏風」野々村仁清作「色絵藤花文茶壷」、手鑑「翰墨城」の国宝3点をはじめ、重要文化財65点を含む約3500点を所有し、東洋美術を中心に絵画・書跡・工芸等各分野にわたり、美術的にも研究的にも大きな魅力と価値のある所蔵品によって構成されています。

入り口から高台にある本館への連絡は周囲の景観を損なわないように山の中に掘られた長さなんと約200mのトンネル式の通路は、長さ30mに及ぶ両サイドのエスカレーター計14基により構成され、中間地点に現れる円形ホール (直径約20m・高さ約10m) には光と音の芸術演出の場ともなるよう種々の設備が施されています。

Cyclo 04 DMX
2006年1月、エスカレーター4基分と円形ホールにT5蛍光ランプをRGBでカラーミキシングする Cyclo 04 DMX が295台設置され、更に幻想的で神々しい空間が生まれました。ドーム下部の埋め込みに設置された Cyclo 04 DMX (52台) の光線はドーム全体を淡く柔らかい色で染め上げます。
また、ゆっくりとカラーチェンジをするように設定され、天井トップの丸いカバーの中に設置された同じく Cyclo 04 DMX (12台) とのコントラストが際立ち斬新です。エスカレーター部分も両脇壁面の掘り込みに設置され、段差が続く壁面に光が融合し、素晴らしいグラデーション効果を発揮しています。エスカレーター部分には6色、ドーム部分には4色のシーンが4分間を1サイクルとして制御され、朝日が浮かびあがる様子や満月に照らされた明るい夜など、時間帯に合わせた演出も組み込まれています。吊りの部分にはディフューザーフロントカバーを利用し滑らかなカラーミキシングを演出しています。

照明家インタビュー
今回の演出を手がけた、株式会社東京舞台照明の柳瀬敏実氏にお話を伺うことができました。
「演出のイメージは、長いエスカレーターを昇ってくるお客様が退屈にならないように未知の世界を感じられるワクワク感を演出したかったんですね。また、美術館という場所柄お客様には癒しの空間も提供したいと考え色彩もしぼりこみ、空気感を出せるような演出にしました。」

確かにゆっくりと色彩を変化させる柔らかい光に包まれながらエスカレーターを上がっていくと、美しく染め上げられたドームが次第に姿を現し、圧倒的な存在感で訪問者を異次元の空間に引き込みます。
 
 
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